斎藤一人に学ぶ――風水よりも大切なことは「ありがとう」
東京・江戸川の町に、1948年に生まれたひとりの男がいます。
のちに「銀座まるかん」の創業者として、そして数々の著書と講演で知られる“商人にして哲人”、斎藤一人さんです。
テレビCMで耳にしたことのある方もいるかもしれません。「スリムドカン」や「漢方の化粧品」で一世を風靡し、なんと1993年から13年連続で全国納税額ベスト10入り。2004年までに累計納税額173億円という前代未聞の記録を打ち立てました。
けれど、その偉業以上に人の心を惹きつけてやまないのが、一人さんの語る“生き方”のメッセージなのです。
「変な人」の言葉に出会って
私が初めて一人さんの本に出会ったのは、もう10年ほど前。
「変な人の書いたツイてる話」――そのタイトルに惹かれて手に取った一冊には、CDが付いていました。聞いてみると、変な人どころか、とてもまっすぐで、あたたかくて、楽しい話があふれていたのです。
「困ったことは起こらない」
「ついてる、ついてる」
「今日はいい日だ」
「やってやれないことはない。やらずにできるわけがない」
そんな言葉を何度も口にするだけで、なぜか元気が湧いてくる――そんな不思議な感覚でした。
風水よりも大切な「ありがとう」の気持ち
一人さんは講演で、風水についても話します。
けれど、その内容は少し風変わりで、そしてとても本質的です。
「方位なんてあまり気にしない方がいいよ。
世界中どこに行っても、あなたがいる場所が一番いい場所なんです。
大切なのは、その土地に“住まわせてもらっている”という気持ち。
『ありがとう』と感謝することが、いちばん大切なんだよ」
さらに一人さんはこう続けます。
「物にも心がある。家にもある。だから、
『ありがとう、いつも助かってるよ』と声をかけると、
カミソリなら3倍長持ちするし、車だって故障しない」
まるで魔法のような話ですが、日々を大切にする気持ちが“場のエネルギー”を変えていく――
それこそが、本来の風水ではないでしょうか。
掃除は最高の「神ごと」
一人さんが“最高の神ごと”として語るのが、掃除です。
神社に行くことよりもまず、日々の暮らしの中を清めること。
こんな具体的な話もしてくれます。
- 玄関が汚れていると、何をしても途中でつまずく
- 床や壁が汚いと、ご先祖さまの加護が届かない
- 窓が汚れていると、先が見えなくなり、情報も入らない
- 流し場がごちゃついていると、胃腸系のトラブルを起こしやすい
- テーブルの上が散らかっていると、企画や計画が立てられない
- トイレが汚れていると、お金が入ってこない
- 新聞や本が床に積んであると、だんだん体が重くなる
けれど一人さんは、「一日中掃除してろって言ってるんじゃないよ」と笑います。
大切なのは、ちょっと気にかけること、ありがとうを伝えること。
「魅力」さえあれば、すべてうまくいく
「魅力さえあれば、人生はすべてうまくいく」
一人さんはそう言い切ります。
ではその“魅力”とは、何なのでしょうか?
「それはね、あなたの笑顔だよ。
そして、あなたがしゃべる思いやりのある言葉だよ」
そんな言葉に出会ったとき、私は「ああ、本当に大切なことって、難しいことじゃないんだな」と心から思いました。
風水も、運も、掃除も、感謝も、笑顔も――
どれもみな、**「自分を整えること」**に集約されているのです。
斎藤一人さんのおすすめ著書
- 『微差力』(サンマーク出版)
- 『変な人の書いた人生が100倍楽しく笑える話』(CD付き/角川書店)
- 『普通はつらいよ』(マキノ出版)
どの本にも、「ああ、そうだったのか」と心が軽くなる言葉が詰まっています。
ちょっと疲れたとき、人生に迷ったときにこそ、ぜひ開いてみてください。