―総集編― 風水とは、“経営戦略”である
正直に言えば、私はもともと風水というものに懐疑的でした。
「根拠が曖昧だ」「占いと何が違うのか」――
そんな思いをどこかで持ちながらも、建築と土地を扱う仕事柄、
「もし本当に良い影響があるなら、風水を少しは取り入れてみたい」と、
どこか夢のように思っていたのです。
だからこそ今回、歴史に名を残す“成功者たち”の生き方に目を向け、
「これは風水ではないか?」と感じられる部分を抜き出して追ってみることにしました。
するとどうでしょう。
彼らの多くが、無意識か意識的かはともかく、風水的な考え方や実践をしていたのです。
■ 成功者たちの“風水的戦略”を振り返る
- 松下幸之助
鬼門をあえて選び、「共存共栄」への信念と「素直な心」が運を引き寄せた。 - 岩崎弥太郎
三菱のシンボルマークに込められた六芒星の力。土地とデザインの両輪による風水活用。 - 斎藤一人
「今、ここが良い場所」。掃除と感謝、日常の行いにこそ風水の本質が宿る。 - 苫米地英人
風水を“脳の再構築”と捉えた科学的アプローチ。エネルギーの流れは内部から生まれる。 - 帯津良一
「病は家から」――色彩、香り、配置。住環境そのものが人を癒す力を持っている。 - 藤田田
立地、設計、色彩、言葉――知識よりも「動物的直感」で掴む空間の力。 - ビル・ゲイツ
知らず知らずにインド風水ヴァーストゥを実践。自然との調和と感謝を忘れない姿勢。 - 石原慎太郎
都市再生にマラソンを重ねた風車理論。マッカーサー道路に込めた“気の再生”という都市伝説。 - 徳川家康
天海僧正とともに構築した江戸の都市風水。鬼門封じと五行の結界が260年の平和を支えた。
■ 占いではなく、「命をかけた戦略」だった
風水というと、“若い女性の占い好き”を連想するかもしれません。
しかし今回見てきた通り、風水とは本来――
- 武将が命をかけた「戦略」
- 経営者が築き上げた「経営戦略」
- 都市や国を設計する「国家戦略」
そのすべての根底にある、「場の力を読み、活かす知恵」だったのです。
色、形、方位、空間、言葉、自然との調和。
どれもが風水の一部であり、それを読み取ることは、人間の感覚を信じることでもあります。
■ 見えない“気の流れ”は、地図でつながる
そして、最も驚いたのは――
目に見えない風水が、“地図で可視化できる”レイラインという形で現れることです。
たとえば、神奈川県に存在するこのライン:
- 三国山
- 九頭竜神社
- 神山
- 早雲山
- 明星ヶ岳
これらを東西30°で結ぶと、冬至の太陽の出入りの角度にぴたりと一致。
さらに、神山から西へ30°のラインは、まっすぐ霊峰・富士山の山頂に繋がります。
神山と富士山を結ぶ――それは地球と宇宙の呼吸線。
風水は、古代から「地球の脈」に耳を澄ます行為だったのです。
■ 今こそ、先人の知恵を活かすとき
経済も人間関係も、どこか行き詰まりを感じるこの時代。
だからこそ、私たちは目に見えないものの力に再び目を向ける必要があるのかもしれません。
不況、閉塞感、変化の時代――
そんなときこそ、“風水”という先人の知恵を、
現代の感性と理性の両方で再解釈していくことができるのではないか?
このシリーズを通して、私はそう確信するに至りました。
おすすめの資料・書籍
📘 荒俣宏著『風水先生』
📘 内田一成著『レイラインハンター』
📘 各回で紹介した成功者の著書もぜひ手に取ってみてください。

図:神山と富士山を結ぶレイライン